ホスピス(緩和ケア)の求人考察
1.ホスピス(緩和ケア)の役割と特徴
ホスピスとは、末期のがん患者を対象に、緩和治療やターミナルケアを行う施設です。
主な仕事内容は
(1)本人や家族への精神的ケア
(2)痛みのコントロール
(3)日常生活援助
(4)QOLの向上
(4)ターミナルケア
(5)死後処置
等が挙げられます。
ホスピスで働くメリットは主に3つ考えられます。
まず一つ目は
より豊かな人間的成長が望める事です。
患者が死を迎える最期の時まで人間としての尊厳を保てるようなサポートを行うことは、
自らの生き方、あるいは死生観というものを見つめ直すきっかけにもなります。
また、患者やその家族ともより深い部分で信頼関係を築くことにより、豊かな人間的成長が望めます。
次に
専門性が高く、ステップアップができるという点です。
ホスピスは専門性が高いため、将来的に緩和ケア認定看護師の資格の取得をしたい人には最適の職場です。
資格取得後は更にレベルの高い看護を患者に提供していくことが可能となります。
そして最後に
一人ひとりの患者にじっくりと向き合いながら看護を提供できる点です。
一般の病院などで勤務している場合、看護というよりも業務に追われてしまうことの方が比較的に多く、
一人ひとりの患者に十分な看護を提供できないジレンマを感じることがありますが、
ホスピスの場合、患者や家族とじっくり関わりながら、看護を提供することができます。
しかし、
ホスピスでの勤務は精神的ストレスが大きいです。
自分の死と向かい合っている患者が居る所であり、多くの患者を看取る機会に直面します。
また、基本的に病院などの医療機関では患者の病気や症状を治す、あるいは緩和することを目的として積極的な治療を行いますが、
ホスピスの場合は、積極的治療行わないのが特徴です。
そのため、患者が回復する姿に喜びややりがいを感じていた看護師にとっては、
戸惑いが比較的に大きく、一般病棟にいた時とはまた違うストレスを感じやすいといえます。
ホスピスでの勤務に向いている人は、
(1)ターミナルケアに興味・関心がある人、
(2)将来的に緩和ケア認定看護師の資格の取得をしたい人、
(3)生きることや死ぬことについての理解を深めたい人、
(4)一人ひとりの患者にじっくりと向き合いながら看護をしたい人等が挙げられるのではないでしょうか。
ホスピスには様々な形態があり、総合病院内に診療科や緩和ケア病棟があるところや、単独で専門病院として立ち上げている施設もあります。
また、緩和ケア病棟の場合は、病床稼働率を上げるために一般あるいは救急患者の受け入れを行っているところも比較的に少なくありません。
しかし、いずれの場合も
ホスピスが完備されている病院や施設は比較的に少ないため求人はあまりないのが現状です。
また、職場によってもその特色は様々であり、十分な情報収集が必要ですので、「ナース専門の転職サイト」に登録し、
聞きたいことを色々と確認することが望ましいといえます。
2.ホスピス(緩和ケア)の給与・給料
ホスピス(緩和ケア)は看護師の年収相場は普通の一般病棟と同じくらいです。
というのも、ホスピス(緩和ケア)というと専門的な分野ではありますが、病棟には違いないからです。
仕事内容に関しては、患者様やそのご家族との関わり方が違ってきたりしますので、
一般病棟よりも精神的にしんどい職場かもしれませんが、
看護師の仕事という意味では特別ということではないのです。
そして、ホスピス(緩和ケア)には施設基準があり、
それを満たすと診療報酬の加算がありますが、施設基準を満たしていない状態で、
院内での通称がホスピス(緩和ケア)病棟というケースもあります。
これは、ホスピス(緩和ケア)が需要が高くなっているということで、院内に必要ではあるが、
看護師の人数なども厳しい基準があるため、無理してホスピス(緩和ケア)としての
申請を出さないということです。
ですが
ホスピス(緩和ケア)の施設基準を満たしている病院のほうが看護師の年収は高くなります。
ホスピス(緩和ケア)病棟では
勤務形態は交替勤務ですし、
休日が多いわけでも残業時間が比較的に少ないわけでもありません。
年収でも上記で説明したとおり、一般病棟の看護師と比べて比較的に高いわけでもありません。
しかし、看護師に人気の高い職場となっており、看護師の募集をかけていない
ホスピス(緩和ケア)病棟も多いのです。
院内からもホスピス(緩和ケア)に異動したいという希望も比較的に多いようです。
このホスピス(緩和ケア)病棟の人気は、看護師になりたい、
と思った動機とリンクする部分が多いから、という理由が挙げられます。
本当の意味での患者様に寄り添った看護、ということで年収には変えがたいものがあるのです。
ホスピス(緩和ケア)病棟は常勤での雇用がほとんどで、
経験がものを言う部分が多いため、看護師としての経験をしっかりと積んだ上で、
ホスピス(緩和ケア)病棟に転職するのが比較的に望ましいです。
年収も看護師としての経験を10年以上行ったうえで、
ホスピス(緩和ケア)で勤務した方が良いものになりやすいです。
看護師としての経験は病院だけでなく、施設もあった方が良いですね。